グラボは良いものを選んだのに、ゲームのfpsが思ったほど伸びない。
こういうとき、原因がCPUにあることは少なくありません。
CPUとは何をする部品なのか、ゲームではどこに差が出るのか、自分のPCでCPUが足りているかをどう確かめるのかを順番に説明します。
■CPUはゲームの動きと判定を計算する部品
CPUは「Central Processing Unit」の略で、日本語では中央処理装置と呼ばれます。
パソコンの中で、ソフトから受け取った命令を順に処理していくのがCPUの仕事です。
ゲームでいえば、キャラクターの動き、敵の行動、弾が当たったかどうかの判定を計算しているのがCPUです。
もう少し細かく分けると、ゲーム中のCPUは次のような処理をしています。
- マウスやキーボード、コントローラーの入力を受け取る
- プレイヤーや敵キャラクターの位置と動きを計算する
- 敵のAIが次に何をするかを決める
- 当たり判定や、物が倒れる、転がるといった物理の計算をする
- オンライン対戦では、サーバーとやり取りしたデータを処理する
どれも画面に映る前の計算です。
この計算が遅れると、画面を描く準備が整わず、fpsが下がったり、操作してから画面が動くまでに遅れが出たりします。
■GPUは映像を描きCPUは描く前の計算をする
ゲームのパーツでよく比べられるのが、CPUとGPU(グラフィックボード)です。
GPUは映像を描く係、CPUはその映像に何を映すかを決めて、GPUに描く指示を出す係です。
1コマの映像ができるまでの流れで見ると、分かりやすくなります。
- CPUが入力を受け取り、キャラクターや敵の位置を計算する
- CPUが、何をどこに描くかの指示をまとめてGPUに送る
- GPUが指示を受けて、光や影、質感をつけた映像を描く
- 描き終わった映像がモニターに表示される
1秒間に144コマ出すなら、この流れを1秒に144回くり返すことになります。
CPUの計算が間に合わなければ、GPUに余力があっても次の指示が来ないので、fpsはそこで止まります。
反対に、GPUの描く速さが足りなければ、CPUが速くてもfpsは上がりません。
| 処理 | 担当 | 足りないと起きること |
|---|---|---|
| 入力の受け取りと動きの計算 | CPU | 操作の反応が遅れる |
| 敵のAIと当たり判定 | CPU | 人や物が多い場面でカクつく |
| 描く指示をまとめて送る | CPU | GPUに余力があってもfpsが伸びない |
| 光や影をつけて映像を描く | GPU | 画質を上げるとfpsが大きく下がる |
ゲーム用のPCでは、多くの販売店がグラボを最優先、CPUを2番目に大事なパーツとして扱っています。
ただし、どちらか一方だけが速くても、遅い方にfpsが合わせられます。
CPUとGPUの性能をそろえておくのが、ゲーム用のPCを組むときの基本です。
■ゲーム向けCPUはコア数とクロックとキャッシュで見る
CPUの性能を表す数字はたくさんありますが、ゲーム向けに見るのは3つで足ります。
コア数は6コア以上、クロックは高いほど有利、キャッシュは多いほどfpsが伸びやすいと覚えておいてください。
コア数とスレッド数は6コア12スレッドから
コアは、CPUの中で実際に計算をする部分です。
コアが多いほど、いくつもの処理を同時に進められます。
スレッド数は、CPUが同時に扱える処理の数で、1コアで2つの処理を扱えるCPUではコア数の2倍になります。
ゲーム向けPCの販売店の記事では、6コア12スレッドが最低ラインとして挙げられることが多いです。
ゲームをしながら配信や録画もするなら、8コア16スレッド以上あると余裕が出ます。
クロック周波数は1コアの速さ
クロック周波数は、CPUが1秒間に何回処理のタイミングを刻むかを表す数字で、単位はGHzです。
同じ世代のCPUなら、数字が高いほど1コアあたりの処理が速くなります。
ゲームは、一部のコアに処理が集中しやすい作りのものが多いので、クロックの高さがfpsに出やすいです。
ただし、世代が違うCPUどうしでは、クロックの数字だけでは比べられません。
新しい世代のCPUは、同じクロックでも1回にこなせる処理が増えているからです。
キャッシュが多いCPUはfpsが伸びやすい
キャッシュは、CPUの中にある小さくて速いメモリです。
よく使うデータをCPUの近くに置いておけるので、メインのメモリまで取りに行く回数が減ります。
AMDのRyzenのうち、型番に「X3D」が付くモデルは、このキャッシュを大きく増やしたCPUです。
たとえばRyzen 7 9800X3Dは、L3キャッシュが96MBあります。
ゲームはキャッシュの量でfpsが変わりやすいので、ゲームを中心に使うならX3Dのモデルは候補に入れておきたいところです。
■CPUの差が出やすいのは高fpsの対戦ゲームと大人数のゲーム
同じグラボを使っていても、CPUを替えたときにfpsが大きく変わるゲームと、ほとんど変わらないゲームがあります。
CPUの差がはっきり出るのは、高いfpsを狙う対戦ゲームと、画面に出る人や物が多いゲームです。
CPUの差が出やすいゲーム
- VALORANTやApex Legends、Counter-Strike 2のような対戦シューティング(200fps以上を狙う場合)
- 大勢のプレイヤーが同じ場所に集まるMMORPG
- 街づくりや戦略ゲームのような、たくさんのユニットを同時に動かすシミュレーション
- MODを多く入れたMinecraft
どれも、1コマごとにCPUが計算する量が多いか、1秒間に計算する回数が多いゲームです。
CPUの差が出にくい条件
4Kのような高い解像度で、画質を高くして遊ぶ場合は、GPUの描く処理の方が重くなります。
この場合、fpsを決めるのはほぼGPUなので、CPUを上のモデルにしても数字はあまり変わりません。
フルHDで高fpsを狙う人はCPUにもお金をかけ、4Kできれいな映像を楽しみたい人はグラボにお金を回すのがおすすめです。
■CPUが足りないかはタスクマネージャーで確かめる
自分のPCでCPUが足りているかどうかは、Windowsのタスクマネージャーで確かめられます。
ゲーム中にGPUの使用率が低く、CPUの使用率が高いなら、CPUが足りていない可能性が高いです。
次の順に確かめてください。
- ゲームを起動して、重いと感じる場面まで進める
- Ctrl、Shift、Escの3つのキーを同時に押して、タスクマネージャーを開く
- 「パフォーマンス」を選び、CPUとGPUの使用率を見る
- GPUの使用率が90%を大きく下回っているかを確かめる
- CPUのグラフを右クリックして「グラフの変更」から「論理プロセッサ」を選び、100%に張り付いているスレッドがあるかを見る
GPUの使用率がほぼ100%に張り付いているなら、fpsを決めているのはGPUです。
この場合はCPUを替えても効果は小さいので、画質の設定を下げるか、グラボの交換を考えましょう。
タスクマネージャーを開いたまま遊ぶと少し重くなるので、確かめ終わったら閉じておきます。
■ゲームで言う「CPU」はコンピューターが動かす相手
「CPU」という言葉は、ゲームの中では別の意味でも使われます。
対戦ゲームで「CPU」と言ったら、人ではなくコンピューターが操作する相手や味方のことです。
スマブラやマリオカート、格闘ゲームなどで、ひとりで遊ぶときに相手をしてくれるキャラクターがこれにあたります。
コンピューターの中の部品であるCPUが動かしていることから、そのままCPUと呼ばれるようになりました。
ゲームによっては「COM」と表示されることもあり、意味は同じです。
CPUの強さは多くのゲームで選べるようになっていて、スマブラSPではレベル1から9までの9段階から選べます。
NPCとの違い
似た言葉にNPCがあります。
NPCは「ノンプレイヤーキャラクター」の略で、RPGの村人やお店の人のように、話しかけると会話やイベントが進むキャラクターを指します。
CPUは対戦や協力の相手として一緒にプレイするキャラクター、NPCは物語や世界を作るキャラクターと分けて覚えておくと混同しません。
■重いときはCPUとGPUのどちらが原因かを先に確かめる
ここまでの内容を、ゲームが重いときにやることの順番にまとめ直します。
パーツを買い替える前に、まずタスクマネージャーでCPUとGPUのどちらが足りていないかを確かめてください。
- 重い場面でタスクマネージャーを開き、CPUとGPUの使用率を見る
- GPUが100%近くならグラボ側、GPUに余力がありCPUのスレッドが100%ならCPU側が原因
- CPU側が原因なら、6コア12スレッド以上で、なるべく新しい世代のCPUを検討する
- 高fpsの対戦ゲームが中心なら、キャッシュの多いX3Dのモデルも比べる
CPUを替えるときは、マザーボードのソケットが合うかも同時に確かめましょう。
IntelとAMDではソケットが違うので、メーカーをまたいで替える場合はマザーボードも一緒に替えることになります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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