ゲーミングキーボードのメンブレンとメカニカルの違い|ゲームで差が出る3つの点と選び方

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1万円台のゲーミングキーボードには「メカニカル」、3,000円台には「メンブレン」と書いてあり、売り場ではどこが違うのか分かりません。

先に答えを書くと、違いはキーの下にあるスイッチの構造です。ゲームで差が出るのは、反応する深さ、耐久回数、音の3つで、この順に書きます。

この記事で分かること。メンブレンとメカニカルの構造の違い、ゲームで差が出る3つの点、メカニカルの軸の選び方、メンブレンで足りる人とメカニカルにすべき人、商品名の「メカニカル風」の見分け方。

メンブレンとメカニカルは「キーの下の構造」が違う

Logicool G G213r メンブレン方式のゲーミングキーボード

どちらもキーを押すと回路がつながり、パソコンに信号が届く点は同じです。違うのは、回路をつなぐ部品が1枚のシートなのか、キーごとに独立したスイッチなのかです。

メンブレンは1枚のシートとゴムのドームで入力する

キーボード全体に、回路を印刷した3層のシートが1枚敷いてあります。キーの下にはゴムのドームがあり、押すとドームがつぶれてシート同士が触れ、入力になります。指を離すとゴムの弾力でキーが戻ります。

部品が少ないので安く作れて、2,000〜5,000円台の製品の多くがこの方式です。ゴムが音を吸うので静かで、飲み物をこぼしても中に入りにくい構造です。ロジクールのG213rのように、ゲーミング向けで採用している製品もあります。

メカニカルはキーごとに独立した金属接点のスイッチがある

キー1つごとに、バネと金属の接点を持つスイッチが入っています。押すと軸が下がって接点が触れ、離すとバネで戻ります。

スイッチの部品を変えると、押す重さや反応する深さ、音が変わります。この違いが「赤軸」「青軸」といった軸の名前です。キーごとに部品があるぶん値段は高く、ゲーミング向けは1万円前後から、無線や上位機は2万円を超えます。

比べる点 メンブレン メカニカル
スイッチ 全体で1枚のシート キーごとに独立
価格の目安 2,000〜7,000円 1万円前後から
耐久回数の目安 1キー500万〜1,000万回 1キー5,000万〜1億回
静か 軸で変わる。青軸は大きい
キー1つが壊れたら 本体ごと交換 対応品ならスイッチだけ交換
押した感触 やわらかく沈む 軸で選べる

耐久回数は、ロジクールとメンブレン方式の解説記事が公開している目安です。実際の寿命は使い方で変わります。

ゲームで差が出る3つの点

Razer BlackWidow V4 X メカニカルゲーミングキーボード

構造の違いのうち、ゲーム中に体感できるのは次の3つです。順に書きます。

1. 反応する深さ。メカニカルは途中で入力される

キーを押して入力になる深さを「アクチュエーションポイント」と呼びます。一般的なメカニカルは2mm前後、速さを売りにした銀軸は1.2〜1.5mm前後で反応し、底まで押さなくても入力されます。

メンブレンはゴムのドームがつぶれるまで押す必要があり、底に近いところで反応します。PC Watchの解説では、反応する深さを浅くすると入力がコンマ何秒か速くなる、と書かれています。FPSのように連打と同時押しが多いゲームほど、この差が出ます。

2. 耐久回数。メカニカルは10倍長く持つ

メンブレンのゴムのドームは、押すたびに少しずつへたります。目安は1キー500万〜1,000万回で、毎日ゲームで同じキーを叩くと、WASDのキーだけ戻りが鈍くなることがあります。

メカニカルは1キー5,000万回以上が目安で、ロジクールの解説では1億回に耐えるスイッチもあります。長く使うほど、1万円の差は縮まります。

3. 音。メンブレンは静か、メカニカルは軸しだい

メンブレンは押した音も底に当たる音もゴムが吸うので静かです。メカニカルは青軸ならカチカチと音が鳴り、赤軸や静音軸なら小さくなりますが、メンブレンほどは静かになりません。

配信や通話をしながら遊ぶ人は、マイクがキーの音を拾います。メカニカルにするなら赤軸か静音軸を選び、キーの下にゴムのOリングを付けると底に当たる音が小さくなります。

メカニカルの軸は4種類。ゲームなら赤軸か銀軸

Logicool G PRO X TKL リニア軸のメカニカルキーボード

軸の名前は、代表的なメーカーCherry MXのスイッチの色から来ています。ほかのメーカーでも、同じ特性のものを同じ色で呼ぶことが多いです。

押した感触 押す重さの目安 向く用途
赤軸(リニア) 引っかかりなく沈む 45g前後 小さめ ゲーム全般。迷ったらこれ
銀軸(スピード) 赤軸より浅い位置で反応 45g前後 小さめ FPSの連打。誤入力に慣れが要る
茶軸(タクタイル) 途中で軽い段差がある 55g前後 中くらい 文字入力とゲームの兼用
青軸(クリッキー) 段差と音がある 50〜60g 大きい 感触を楽しむ人。配信には向かない

ゲーム用に1本選ぶなら赤軸です。PC Watchの解説でも、荷重が重いと指が疲れるため、ゲーミングキーボードには45〜50g前後の軽いスイッチが多く使われていると書かれています。銀軸は速い反面、手を置いただけで反応することがあり、初めての人は赤軸から入るほうが失敗が少ないです。

メンブレンで足りる人と、メカニカルにしたほうがいい人

「ゲーミングならメカニカル」と決めつける必要はありません。使い方で分かれます。

メンブレンで足りるケース

予算が5,000円まで。遊ぶのはRPGやシミュレーションのように、連打や同時押しが少ないゲーム。家族が寝ている部屋の隣で使う。キーボードを消耗品として2〜3年で買い替えるつもり。

この中に2つ以上当てはまるなら、メンブレンのゲーミングキーボードで困りません。3,000円台で買えて静かなので、まずゲームを始めたい人の最初の1台にも向いています。

メカニカルにしたほうがいいケース

FPSや格闘ゲームで、反応の速さを気にする。1日3時間以上使う。押した感触を自分で選びたい。同じキーボードを5年以上使いたい。

この中に1つでも当てはまるなら、1万円前後の赤軸のメカニカルを選んでください。耐久回数が10倍違うので、長く使うほど1本あたりの費用差は小さくなります。

商品名の「メカニカル風」は中身がメンブレン

ここは比較記事にあまり書かれていない点です。「メカニカルフィール」「メカニカル風」「メンブレニカル」と書かれた製品は、構造はメンブレンで、感触だけメカニカルに寄せたものです。

見分け方は、商品ページに「赤軸」「青軸」「リニア」「Cherry MX」「Gateron」といったスイッチの名前があるかどうかです。スイッチの名前がなく「メカニカルのような打鍵感」とだけ書かれていれば、メンブレンです。悪い製品ではなく、静かで安いのが利点ですが、耐久回数と反応の深さはメンブレンのままです。

買う前に確かめる3つの注意点

「Nキーロールオーバー」は必須ではない

すべてのキーの同時押しを認識する機能ですが、PC Watchの解説では、今のPCゲームでそこまで必要なものは少なく、6キーか10キーの同時押しに対応していれば足りるとされています。

テンキーがないほうがマウスを近くに置ける

ゲームで使うのはキーボードの左側に集まっています。テンキーの無いテンキーレスなら、マウスを体の近くに置けて、腕を大きく開かずに済みます。数字入力の多い仕事と兼用しないなら、テンキーレスで困りません。

マクロ機能はゲームの規約を先に確かめる

複数の操作を1つのキーに登録するマクロは、規約で禁止しているゲームがあります。使う前に、遊ぶゲームの規約で認められているかを確かめてください。

迷ったら赤軸のメカニカル、予算3,000円なら静音メンブレン

メンブレンとメカニカルの違いはキーの下の構造で、ゲームで差が出るのは反応する深さ、耐久回数、音の3つです。

FPSを本気で遊ぶ、または長く使うなら1万円前後の赤軸メカニカル。予算を抑えて静かに始めたいなら3,000円台のメンブレンです。商品名に「メカニカル風」とあれば中身はメンブレンなので、軸の名前があるかで見分けてください。

この記事のアドバイザー
電山タケル
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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