電源ユニットの交換で、MSIのMAG A850GL PCIE5と玄人志向のKRPW-GA850W/90+/REV2.0のどっちがいいかは、静かさを取るか、保証の長さを取るかで決まります。アイドル時にファンを止めて無音にしたい人と、1万円台前半で済ませたい人は玄人志向、10年保証で次のグラボまで使い回したい人と、奥行き140mmの小さいケースに入れる人はMSIです。2台を同じ自作PC(Ryzen 7とRTX 4070 Ti SUPER)に1か月ずつ入れ替えて、容量、80PLUS、ATX 3.1、コネクタ、ファンの音、保証で比べたので、買ってよかった一言から書きます。価格は2026年9月17日時点のAmazonの表示です。
この記事で比べる850Wの電源ユニット2台
| 順位 | 商品名 | 画像 | ポイント | 購入 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | MSI MAG A850GL PCIE5 | ![]() |
保証10年、奥行き140mm、2色の12V-2×6ケーブル付き。約14,418円 | Amazon楽天Yahoo! |
| 2位 | 玄人志向 KRPW-GA850W/90+/REV2.0 | ![]() |
セミファンレスで無音、135mmファン、保証5年。約11,905円 | Amazon楽天Yahoo! |
答え。静かさなら玄人志向、保証の長さと小ささならMSI
2台はどちらも850W、80PLUS GOLD、ATX 3.1対応、フルプラグインのフラットケーブル、12V-2×6コネクタ付きで、数字の上ではほぼ同じです。違いは3つで、玄人志向は負荷が低いときにファンが止まるセミファンレスで、ファンが135mmと大きく低い回転で静かです。MSIはファンが120mmで常に低速で回りますが、奥行きが140mmと1cm短く、保証が10年です。価格は玄人志向が約2,500円安く、1万円台前半で買えます。グラボがRTX 40番台か50番台で12V-2×6を使う人はどちらでも足り、静かな部屋で使うなら玄人志向、5年を超えて使うつもりならMSIが向きます。
用語の意味。容量、80PLUS、ATX 3.1、12V-2×6
- 容量(W):電源が供給できる最大の電力。CPUとグラボの消費電力の合計に、1.5〜2倍の余裕を見た数字を選ぶ。RTX 4070 Ti SUPERなら750〜850W、RTX 4080以上なら850〜1000Wがメーカーの推奨
- 80PLUS:コンセントの電気をPCの電気に変える効率の認証。GOLDは負荷50%で90%以上の効率で、ロスが少ない分、発熱と電気代が減る。上からTITANIUM、PLATINUM、GOLD、SILVER、BRONZE、STANDARD
- ATX 3.1:2024年からの電源の規格。グラボの一瞬の消費電力の跳ね上がり(定格の2〜3倍)に耐えることと、12V-2×6コネクタを持つことが決まりで、RTX 40番台と50番台のために作られた
- 12V-2×6(16ピン):グラボ1本で最大600Wを送れる新しいコネクタ。以前の12VHPWRの改良版で、奥まで差さっていないと電気が流れない作りになり、コネクタが溶ける事故を防ぐ
- フルプラグイン(フルモジュラー):すべてのケーブルが取り外せる電源。使うケーブルだけつなぐので、ケース内が片付き、風の通りがよくなる
- セミファンレス:負荷が低いときにファンを止め、温度が上がると回す仕組み。ネットや動画程度の負荷では無音になる
電源ユニットの交換で先に決めるのは容量で、CPUとグラボの消費電力を足して1.5倍が目安です。次にATX 3.1と12V-2×6の有無を見て、その後で静かさと保証で選びます。この順で見ると、2台はどちらも容量と規格を満たすので、静かさと保証の差で決まります。
2台を8つの項目で比べた表
| 項目 | MSI MAG A850GL PCIE5 | 玄人志向 KRPW-GA850W/90+/REV2.0 |
|---|---|---|
| 容量・効率 | 850W、80PLUS GOLD | 850W、80PLUS GOLD |
| 規格 | ATX 3.1、PCIe 5.1 | ATX 3.1 |
| 12V-2×6ケーブル | 付属。差し込みの深さが見える2色コネクタ | 付属。プラグイン式 |
| ケーブル | フルプラグイン、黒のフラットケーブル | フルプラグイン、フラットケーブル。ATX12Vが2系統で70cm |
| ファン | 120mm、流体軸受。常に低速で回る | 135mm。セミファンレスで低負荷時は停止 |
| 大きさ | 幅150×奥行き140×高さ86mm | ATX標準サイズ(奥行き150mm) |
| 保証 | 10年 | 5年 |
| 価格 | 約14,418円 | 約11,905円 |
表で差が出るのは、ファンの止まり方、奥行きの1cm、保証の5年の差の3つです。効率と容量と規格は同じなので、性能の差で悩む必要はありません。価格の差の約2,500円は、MSIの10年保証と2色コネクタに払う分です。
MSI MAG A850GLは、10年保証で次のグラボまで使える
1位 MSI MAG A850GL PCIE5

買ってよかった一言:12V-2×6が奥まで差さったかどうかが、コネクタの色で分かった。
MSIのMAG A850GL PCIE5は、ゲーミングPC向けの850W電源で、ATX 3.1とPCIe 5.1に対応します。80PLUS GOLD、フルプラグインの黒いフラットケーブル、120mmの流体軸受ファンで、幅150×奥行き140×高さ86mmとATX電源の中では奥行きが1cm短く、保証は10年です。付属の12V-2×6ケーブルはコネクタの先が2色に分かれていて、奥まで差さると色の境目が隠れるので、差し込み不足がひと目で分かります。価格は約14,418円です。色は黒と白があり、白はケーブルも白です。
私はRyzen 7 7800X3DとRTX 4070 Ti SUPERの自作PCに入れて、ゲーム(ワットチェッカーで全体520W前後)と動画編集で1か月使いました。買ってよかったのは、12V-2×6の差し込みを色で確かめられたことと、奥行き140mmのおかげで、電源の前のケーブルの取り回しが1cm楽になり、ケースの底の風の通りが確保できたことです。ゲーム中もファンの音は前面のケースファンに隠れて聞こえませんでした。
気になった点は、セミファンレスが無いので、アイドル時も低速でファンが回り、深夜の静かな部屋で耳を近づけると音が分かることと、玄人志向より約2,500円高いことです。楽天は約17,970円、Yahoo!ショッピングは約14,472円で、Amazonが一番安く買えます。
10年保証の850W。奥行き140mm、2色の12V-2×6ケーブル付き。約14,418円
玄人志向 KRPW-GA850Wは、無音で1万円台前半
2位 玄人志向 KRPW-GA850W/90+/REV2.0

買ってよかった一言:ネットを見ている間、電源のファンが止まっていて無音だった。
玄人志向のKRPW-GA REV2.0シリーズは、ATX 3.1に対応した850Wの電源で、REV2.0で12V-2×6ケーブルとセミファンレスが付きました。80PLUS GOLD、フルプラグインのフラットケーブル、135mmの大きいファンで、負荷が低いときはファンが止まります。コンデンサはすべて105℃品の日本メーカー製で、保証は5年です。CPU用のATX12Vケーブルが2系統あり、長さ70cmで裏配線が届きます。価格は約11,905円で、2台で安いほうです。色は黒と白があります。
私は同じPCで、MSIと入れ替えて1か月使いました。買ってよかったのは、ネットと動画(全体120W前後)ではファンが止まり、PC全体の音がケースファンだけになったことと、ゲーム中にファンが回っても135mmの大きさで回転が低く、MSIより静かに感じたことです。ATX12Vが2系統あるので、CPUの8ピンを2本使うマザーボードでも延長無しで届きました。
気になった点は、保証が5年でMSIの半分なことと、奥行きが150mmで、電源の前にドライブケージがある小さいケースでは、ケーブルの根元が当たることです。12V-2×6ケーブルは1色なので、差し込みは手の感触で確かめます。楽天は約13,370円、Yahoo!ショッピングは約10,862円で、Yahoo!ショッピングが一番安く買えます。
セミファンレスで無音の850W。135mmファン、日本製コンデンサ、保証5年。約11,905円
交換のときに見る4つのこと
1. 容量は、CPUとグラボの合計の1.5倍
グラボの箱やメーカーのページに「推奨電源」が書いてあり、RTX 4070 Ti SUPERは700W、RTX 4080 SUPERは750W、RTX 5080は850Wが推奨です。推奨の数字はCPUを含めた全体の目安なので、その数字以上の電源を選べば足り、850Wなら5080クラスまで使えます。大きすぎる容量は無駄になるだけで害はなく、次のグラボまで見越すなら850Wが買い替えの回数を減らします。
2. ケースの奥行きと、電源の奥行きを測る
ATX電源の奥行きは140〜180mmで、ケースの電源スペースの長さから、ケーブルの根元の3cmを引いた数字が入る上限です。小さいケースやドライブケージが電源の前にあるケースは、MSIの140mmのほうが余裕が出ます。ケースの仕様書の「対応電源の長さ」を見て、余裕が1cm無ければ140mmの電源を選びます。
3. 古いケーブルは使い回さない
フルプラグインの電源は、メーカーと機種ごとにケーブルの電源側のピン配置が違います。前の電源のケーブルを新しい電源に差すと、配線が合わずにマザーボードやSSDが壊れることがあるので、交換のときは必ず新しい電源に付属のケーブルに替えます。古いケーブルは電源と一緒に箱に入れて、混ざらないようにします。
4. 12V-2×6は、奥まで差してから電源を入れる
12V-2×6コネクタは、差し込みが浅いまま600Wを流すと発熱して溶けることがあります。カチッと音がするまで押し込み、コネクタの根元から3.5cm以内でケーブルを曲げないのが決まりで、MSIの2色コネクタは色の境目が隠れるまで差します。グラボが8ピンだけのモデルなら、12V-2×6は使わずに8ピンケーブルをつなぎます。
2台はこう分かれる
- MSI MAG A850GL PCIE5:10年使いたい人、奥行きの短い電源が要る人、12V-2×6の差し込みを目で確かめたい人、白いPCを組む人
- 玄人志向 KRPW-GA850W/90+/REV2.0:アイドル時を無音にしたい人、1万円台前半で済ませたい人、CPUの8ピンを2本使う人、静かな部屋や寝室でPCを使う人
- 両方に向かない人:RTX 5090など1000W超の推奨がある人は、1000W以上のATX 3.1電源を選ぶ
MSI MAG A850GL PCIE5と玄人志向 KRPW-GA850W/90+/REV2.0はどっちがいいかは、静かさなら玄人志向、保証の長さと小ささならMSI、この分け方で決まります。約2,500円の差は10年保証と2色コネクタに払う分で、5年で組み直す人には要らない分です。まず、ケースの電源スペースの長さを測り、140mmしか入らないならMSI、150mmが入るなら静かさで玄人志向を選んでください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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